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  ■ 情報機器や制御機器の落雷対策について
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■ 情報機器や制御機器の落雷対策について

 近頃では、雷を伴った夕立などが増えてきました。
 東京などの都市部では、幹線道路を走る自動車の熱などにより、局地的に雷を伴った大雨の被害も増えています。 異常気象が増えたのは、温暖化の影響とも言われていますが、様々な条件が重なっていることは確かなようです。

 夏に限らず、冬でも落雷による深刻な被害が多い地方があります。 北陸地方では、雪嵐に伴って雷が発生し、風力発電の風車なども大きな被害を受けています。

 筆者は、とあるOA機器のサービスを経験してきました。 FAXやパソコンの修理などが主な仕事でしたが、雷の時期になると家に帰れない日々が続くことがありました。 落雷による故障の多発です。 OA機器は、雷一発で何台、何十台とまとめて故障します。

雷が光ったら、機械も光った
建築中のクレーンに雷が落ちたら事務所のFAXから煙が出た
雷が鳴ったら焦げ臭くなった
なぜか動かなくなった・・・・・

 などなど、症状は様々でした。
 特にFAXやパソコンの場合は、電源だけでなく電話線も接続されているために被害を受けやすくなります。 ひとたび落雷すると、周囲数百メートル以内の、パソコンを含む多くのOA機器が故障します。

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インターネットコム デイリーリサーチ 2006年7月25日 17:30号 より引用

インターネットコムと goo リサーチが行った調査によると、
全体1,084人のうち、落雷による被害に遭ったことがある人は8.12%(88人)だった。具体的な被害内容としては、「モデムが壊れた」、「HDD が壊れた」、「マザーボード損傷」「液晶モニターが付かなくなった」「プリンタと USB ボードが壊れた」など様々だ。

などの結果が出ています。

 落雷対策のベストな方法は、雷鳴を聞いたら・または鳴りそうなら、電源を抜き(切るだけではありません)電話線も抜き、外部との接続を一切遮断することです。

 しかし、「雷鳴を聞いたら電源を抜く」では、すでに遅いと言われています。 雷は約20Km以下が落雷の危険範囲と言われています。 つまり距離にして20km以下では、いつ落雷してもおかしくない状態です。

 雷鳴は約10Km以上離れると、人の耳にはほとんど聞こえないと言われています。
 雷鳴が聞こえる状態では、すでに雷まで10km以下の距離であり、「すでに危険な状態」と言えるのです。

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 現在では常時稼働する機器やパソコンなども多くなっています。 また、電源を切っただけでは意味が無く、電源コードや電話線を物理的に外さなければ意味がありません。

 完全に雷による被害を無くすことはできません。 しかし、被害を減らしたり、避けたりすことは可能です。 何も対策していないのに比べて、被害を最小限度に抑えることが可能です。

 実際の統計はありませんが、経験的に以下のことが言えます。
FAXやパソコンなどの落雷被害は、電源よりも電話線からの電圧によるものが多いようです。
ただし、電源からの被害は壊滅的な被害になることが多く、機器も全損状態になることが多いようです。

 電話線からの被害では、ISDN、ADSL、アナログモデムなどを通し、USBやLANケーブルを通してパソコン側に回り込んでくることが考えられます。 その場合、中途半端に壊れることも多く、「何となく動作がおかしい」などの現象も多く見られます。

 一般的に「落雷による被害」というと、「電線に落雷して雷の電気が回り込んでくる」といったイメージが強いようですが、実際には少ないようです。 もちろん直撃の場合の被害は甚大で、最悪の場合は発火もありえます。

 実際には、「直撃よりも電線の近くに落雷したことによって、誘導による起電力が電線に生じて、家庭内の機器が故障する」といった場合がほとんどです。 ですから、落雷の周囲数百メートルに影響があり、落雷地点からの距離や電線の位置や方向などの条件によって発生する電力も変わります。 そのことから、もう少しで故障を防げたはず・・・と言うことも多いのです。

 落雷に対して段階的な対策をしていれば、被害を防ぐ事ができる可能性は高くなります。

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 抜本的な対策は電線の地下化ですが、日本ではほとんどの地域で電線や電話線が空中にあるため、誘導による起電力がおきやすくなります。 被害を抑えるためには、可能な限り何段階かの雷対策をするしかありません。

 電源コードからの被害を減らすには、無停電電源装置(UPS)により遮断する方法が現実的です。
 無停電電源装置(UPS)にも様々な種類があり、電源が切断されたらリレーなどによりバッテリーに切り替わる方式や、100V電源から内蔵バッテリーを介して100Vを発電するラインインタラクティブ方式などがあります。 機構的に、機械的に切り替わる方式よりも、バッテリーを介するラインインタラクティブ方式の方が雷に対して保護効果は高いと思われます。

 一般的に販売されている電話線や電源のプロテクターは、サージプロテクター型かヒューズ型になり、サージ電圧を超えた分をアースに逃がすか高電圧や高電流により遮断する構造です。 もちろん効果はありますが、ヒューズ型では切断されるまでのタイムラグにより故障する可能性は残ります。

 また、サージプロテクター型は構造上「電気的につながっている」ために、完全に影響を無くすことはできません。 そしてサージ電流を超えると、サージプロテクター自体も耐えられなくなります。
 異常電圧に対して弱い信号ラインなどにはアイソレーターが適していますが、回路が複雑になるために若干高価です。 また、電気的に分離されるために電力の伝達はできません。


 アイソレーターやサージプロテクターの設置はコストがかかりますが、パソコンや機器に比べ変化が少なく、長期にわたって使用できる物です。 電気の通り道の間に、何段階かのアイソレーターやサージプロテクターを設置することが、落雷被害を最小限に抑えるコツといえます。

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サージプロテクター
設計されたサージ電圧を超えた分の電流をアースに逃がし、機器を保護することを目的にします。
電源や信号ラインは入出力で共通化されているために「接続できない」などのトラブルはほとんどありません。
サージ電流や耐電圧を超えると、素子が耐えられずに機器に電圧がかかります。
電圧をアースに逃がすため、確実なアースの接続が重要です。
低価格ですが、アイソレーターよりも安全性は下がります。
電源、電話線など、大きな電力ラインの保護に適しています。


アイソレーター
電気的な接続を完全に分離します。
入力と出力の間で、電気的な接続はありません。
光信号(フォトカプラ)に変換することにより、電気的に完全に遮断します。
電源などが共通化されないために、機器の種類によって問題が出る可能性があります。
アイソレーションの限界電圧を超えると、放電などにより電圧がかかる可能性があります。
回路を分離して信号も変換するため、高価ですが安全性は高くなります。
シリアルポートやイーサネットなど、微細な信号ラインの保護に適しています。


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